第5回:エージェントの根拠を照合する

2026年11月10日(火)

第4回の宿題(問い、予想、二つのコマンドと件数、読んだ箇所)、CSV、担当作家のフォルダーclass4-<作家>を手元に置いてください。まだ提出していない場合は、第4回の宿題の調査の記録とCSVを提出ページで提出してください。提出ページの「提出された問い」に、提出された記録の問いと予想が表示されます。

使うもの 第4回まで 今回
本文 担当作家の準備済みコーパス 同じコーパス
検索 自分で実行した二つのコマンド エージェントが提案するコマンドと、自分の再実行
記録 問い、予想、件数、CSVの1–12行目 主張を照合した記録と、根拠の課題の報告

1. 問いを指示に書き直す

エージェントは、モデルと道具を使って処理を進める仕組みです。今回のエージェントは作業フォルダーでコマンドを実行し、その結果を説明します。説明は本文の根拠ではないため、コマンドと出力を自分で確かめます。

第4回の宿題の問いを、次の形の指示に書き直してください。フォルダー名とコーパスのファイル名は担当作家のものに、問いは自分の問いに置き換えてください。

作業フォルダー dh-b-2026/class4-akutagawa にある準備済みコーパス akutagawa.lingcorpus、作品一覧 works.csv、パターンファイル class4.lx を使って、次の問いを調べてください。

問い:芥川龍之介の小説では、「落ちる」は「行く」より「来る」と結び付くことが多いか。

条件:ling のコマンドと出力を省略せずに示す。件数には数えた単位(トークン、作品、動詞1万語あたり)を添える。主張ごとに本文の箇所を作品名付きで引用する。ファイルを変更・作成しない。コマンドは実行前に私に確認する。

指示の部分 役割
フォルダーとファイル名 調査に使うフォルダーとファイルを指定する
問い 件数で答えられる一つの問い
単位と引用の条件 第3回以降と同じ記録の形にそろえる
変更禁止と事前確認 ファイルを変更しないことと、実行前の確認を求める

「提出された問い」から他の人の問いを一つ選んでください。その問いも同じ形の指示に書き直してください。他の人の問いがまだない場合や、提出ページを開けない場合は、次の問いを使ってください。

問い:担当作家の小説では、「上る」は「来る」より「行く」と結び付くことが多いか。

2. 記録された調査を読む

下の記録は、1節の例の問いを芥川龍之介のコーパスでエージェントに調べさせた対話です。記録は2026年10月27日のもので、Claude Code(モデルはClaude Fable 5.1)とling 0.5.0を使っています。コマンドは一つずつ承認しています。再生ボタンで対話が順に表示されます。矢印のボタンで前後のブロックに移れます。記録を別ウィンドウで開くこともできます。

記録の中で提案されたコマンドごとに次を記録してください。

記録する項目 内容
コマンド 提案された行をそのまま
承認 実行を承認したか、変更を求めたか
件数と単位 出力の件数と、エージェントが述べた単位
主張 その出力をもとにエージェントが述べた一文
引用 作品名と本文の箇所。引用がなければ「なし」

エージェントが述べた単位と、コマンドが実際に数えた単位は別に記録してください。summarizeの件数はトークン数で、作品数ではありません。

記録のコマンドを4節で再実行するには、芥川龍之介のフォルダーclass4-akutagawaが要ります。担当作家が違う場合は、第4回の作家の表からそのZIPを保存し、展開してください。

3. 自分のエージェントでも調べる(任意)

自分のPCで使えるエージェントがある場合は、ターミナルで担当作家のフォルダーdh-b-2026/class4-<作家>に移動して起動し、1節の指示を入力してください。

  1. エージェント・ツールの名前、表示されていればモデル名、実施日をメモに書いてください。
  2. 提案されたコマンドを実行前に読み、ファイルを変更・作成しないことを確認してから承認してください。ファイルに書き込む提案は承認せず、画面に出力するよう求めてください。
  3. 2節の表と同じ五つの項目を、自分の指示についても記録してください。
  4. 対話の全文をテキストファイルに保存してください。APIキーや個人的な会話は含めないでください。

エージェントを使わない場合は、2節の記録を4節以降に使ってください。

どのエージェントを使えますか?

ターミナルで動き、作業フォルダーのコマンドを実行できるエージェントを使えます。入力した指示とコマンドの出力は接続先のサービスに送られるため、本文と配布ファイル以外は入力しないでください。

4. 主張を一つ再現する

エージェントの主張から、件数を伴うものを一つ選んでください。

  1. 主張に使われたコマンドを、自分のターミナルでそのまま実行し、件数を比べてください。
  2. 引用された箇所を、--where '@document.title = 作品名'で本文から表示し、引用と一致するか確認してください。
  3. 結果を次の三つのどれかで記録してください。
ling matches --corpus akutagawa.lingcorpus --where '@document.title = 疑惑' --pattern '[lemma=落ちる] [lemma=て] [lemma in {来る, 行く}].' --context 4 --color never
ling matches --corpus akutagawa.lingcorpus --where '@document.title = 疑惑' --pattern '[text ~ 梁].' --context 3 --color never

1行目は、芥川龍之介の「疑惑」で落ちて来る・落ちて行くの箇所を前後4トークン付きで表示します(配布したコーパスでは3件)。引用がパターンに一致しない場合は、2行目のように引用の語を[text ~ 語]で探してください。

Soranohaで1箇所目の段落・2箇所目の段落・3箇所目の段落を読めます。

結果 記録する内容
一致 同じ件数と単位、引用と本文が一致したこと
不一致 自分で再確認した結果(件数または本文の記述)と、違いが生じた条件(コマンド、集合、単位、作品の範囲)
未解決 再実行できなかった理由(コマンドが残っていない、ファイルが違う、など)

件数が一致しても、主張が成り立つとは限りません。第3回のあのぼんやりのように、一致した箇所が問いの対象でない場合があります。引用の段落を読んで判断してください。

5. 自分の調査と比べる

第4回の宿題で実行した二つのコマンドと、エージェントのコマンドを並べてください。

  1. 問いが同じなら、件数が違う条件(パターン、集合、--whereの範囲、単位)を書いてください。問いが違うなら、エージェントのコマンドを自分の問いに合わせて変え、担当作家のコーパスで実行した件数を書いてください。
  2. エージェントが見つけて自分が見落とした箇所、または自分が読んでエージェントが引用しなかった箇所を一つ書いてください。
  3. エージェントの説明のうち、コマンドと本文では確かめられなかった一文を書き出してください。

終了時のメモ

次の四つをメモ(.txtまたは.md)に記録し、メモを提出ページで提出してください。3節で対話を保存した場合は、その記録も提出してください。

記録する項目 内容
指示 1節で書いた指示と、使ったエージェント・モデル・日付。2節の記録を使った場合は、記録に示されたもの
照合した主張 4節の主張、コマンド、自分の件数、一致・不一致・未解決
引用の確認 作品名と、本文と照合した結果
確かめられなかった説明 5節の一文と、確かめられなかった理由

宿題:第1–5回の調査を報告にまとめる

根拠の課題の六つの項目で報告を作ってください。提出先と締切は提出の表にあります。

第4回までの記録(問い、予想、コマンド、CSVの箇所)と、今回の照合の記録で六つの項目がそろいます。エージェントの項目には、自分が実際に行った対話と確認だけを書いてください。

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