用語と考え方

授業で使う教材

文字列の一致・分類した出現箇所・出来事

何を数えるかを示してください。同じ段落に、複数の文字列の一致や、同じ出来事を述べる複数の表現が含まれる場合があります。

同じ一行を四つの単位で数える

…一生懸命にのぼAった甲斐があって…それからあのぼ×んやり光っている…この分でのぼ条って行けば…自分ののぼAった後をつけて…よじのぼBって来る…ここへまでのぼAって来た…せっせとのぼBって参ります…

A:犍陀多の登り B:罪人たちの登り 条:条件 ×:移動ではない

grep -cF ‘のぼ’:行
1行(ファイル全体では5行)
grep -oF ‘のぼ’:文字列の一致
7件(ファイル全体では12件)
アノテーション:移動表現
6件。あのぼんやり(×)を除く
出来事
判断による。犍陀多の登り(A:3回述べる)と罪人たちの登り(B:2回述べる)。のぼって行けば(条)は条件で、起きた登りではない

本文:story.txtの11行目(第二部の一段落)からの抜粋。Soranoha版「蜘蛛の糸」のプレーンテキスト。

件数には、単位、含めた行や箇所、本文の版を添えてください。

個々の箇所では、数え方がどう変わりますか?
箇所 文字列の一致 分類した出現箇所 出来事
あのぼんやり光っている(二) 一致する。のぼはあのぼんやりの一部 移動表現ではない なし
この分でのぼって行けば(二) 一致する 上昇。「起きるか示されていない」(Uu)。根拠は条件のば なし。犍陀多が抜け出せると予想している
のぼれなくなってしまいました(二) 一致する 上昇。「起きない・起きなかった」(CT-)。根拠はのぼれなく なし。それ以上登れない
ややしばらくのぼる中にと一生懸命にのぼった甲斐があって(二) どちらものぼに一致する 2行。上昇。「起きる・起きた」(CT+) 一度の登りを2回述べている

トークンは解析器が本文を区切った単位で、区切り方は解析器と辞書によって決まります。今回の移動表現には複数のトークンが含まれることがあります。

判断できないとき

「起きるか示されていない」(Uu)は、移動が起きるかどうかを語り手が示していない、という判断です。「判断を保留」は、自分が分類を選べないときに使います。

判断できない箇所の行も削除しないでください。方向か「移動は起きる?」を判断できない場合は、該当する欄に「判断を保留」と入力し、根拠欄に理由を書いてください。

状況 対応
文脈が足りない 段落全体を読む
誰が移動するか書かれていない 主体欄を空欄にし、根拠欄に確認した表現を書く
基準を読んでも分類を選べない 「判断を保留」と入力し、基準のどこを明確にする必要があるかを書く
他の人と判断が分かれた それぞれの判断の根拠を本文で確認する

判断を保留した行を集計から除いた場合は、除いた行数も示してください。分類の選び方で集計結果が変わる場合は、それぞれの場合の件数を示してください。

各自の分類を比べる

相談前に記録した分類を比べ、相談後の修正は別に残してください。

アノテーター間一致は、どう測りますか?

アノテーター間一致(IAA)は、同じ基準をどの程度一貫して適用するかを示します。単純一致率は、一致した分類の数を比較した出現箇所数で割り、項目ごとに計算します。

項目 例
方向 5件中5件が一致:100%
移動の判断 5件中3件が一致:60%

各項目で、二人とも分類を記入した行だけを比較します。保留と未記入は別に数え、二人とも保留でも判断の一致に含めません。Uuは記入した判断です。

一致が示すのは一貫性で、正しさではありません。選んだ五つの例では信頼性を確かめられません。より大きな標本ではCohenのκなどが分類の頻度から期待される偶然の一致を考慮するため、課題とアノテーター数に合う指標を選びます。

Artstein and Poesio(2008)「Inter-coder agreement for computational linguistics」。

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